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教えよう - タグラグビーの発展的ルール

教えよう

タグラグビーの発展的ルール

基本的なルールのゲームでは、攻める側がパスを失敗したりタッチに出てしまわないかぎり、いつかはトライがとれるルールとなっています。それでもはじめてタグラグビーをプレーする子どもたちは、よくパスを失敗したりタッチに出てしまったりするので、適度に攻守交代が起こるおもしろいゲームが展開されることでしょう。

しかし、基本的なルールでのゲームも数時間を経ると、子どもたちもだんだんボール扱いに慣れてきてミスも少なくなり、その結果、ほとんど攻守交代が起こらない、おもしろみに欠けたゲーム展開が繰り返されるようになってきます。

このような段階になったら、ルールを発展的なものへと変えていき、もっともっとタグラグビーをおもしろくしてみましょう。ルールを変えていくポイントは、ゲーム中の攻守交代の場面がより多く生み出されるようにするという点にあります。

○発展的なルール

(ルール1)ノックオン

パスをとりそこねてボールを前に落とすと、スローフォワードと同様にボールを手で前に進めたということで反則になります。これを「ノックオン」と言います。

ノックオンがあったときは、ボールを前に落としてしまった地点から相手側のフリーパスとなります。ボールを落としたとしても、真下や後ろへ落とした場合はノックオンにはなりませんので注意してください。

ノックオンの反則は、タグラグビーを始めたばかりの基本的なルールのときは反則にしなくてよいでしょう。地面に落ちたボールはそれを落としたプレーヤーや攻める側の他のプレーヤーが拾って攻撃を継続してもよいし、相手側のプレーヤーに拾われて逆襲されることもあるでしょう。ただし、地面にあるボールへのダイビングは禁止ですから、ボールは必ず立ったまま拾うようにします。

(ルール2)オーバーステップ

タグをとられたらすぐに走るのをやめなければなりませんが、上手になってくるとゲームがスピーディーになってきて、タグをとられて止まろうとしても3歩以上走ってしまうことが起きてきます。

基本的なルールでは、3歩以上走ったときはタグをとられた地点まで戻ってパスをやり直していましたが、発展的なルールでは、タグをとられた後に3歩以上走ってしまった場合は「オーバーステップ」という反則とし、その地点から相手側のフリーパスとします。

オーバーステップのルールを加えると、タグをとられたらすぐに止まれるように、走るスピードを調節しながらランニングを工夫したゲームへと発展していくことが期待できますし、また、走るのが速い子がタグをとられた後にズルズルと動いてしまうことをこのルールで抑えることによって、守る側のプレーヤーとの衝突も避けることができます。

(ルール3)タグの回数

ボール扱いが上達してくると、守る側が何回タグをとってもいつかはトライをとられるゲームになってきます。このような段階になったら、タグを4回とったら攻守を交代するというルールを加えてみましょう。

タグの回数は、タグをとられたときにまだそのプレーヤーがボールを持っていた場合のみ数えることとします。4回タグをとったら、最後の4回めのタグをとった地点から、タグをとった側のフリーパスでゲーム再開となります。

攻守交代となるタグの回数は、コートのたての長さと子どもたちの走る能力に応じて決めるとよいでしょう。相手ゴールライン目前で攻守交代が起こるように、たとえばコートのたてが短ければ3回、長ければ5回で交代といったようにします。

(ルール4)ゴールライン直前のタグの扱い

基本的なルールでは、ゴールライン直前でタグをとられても3歩以内でインゴールに入った場合はトライと認めていましたが、上達にしたがってこのルールも厳しくします。

ゴールライン直前でタグをとられたら、たとえ3歩以内でインゴールに入ってトライしてもそれはトライとはならず、そのタグが4回めだったら攻守交代、まだ3回め以内のタグだったらタグをとられた地点まで戻ってパスをやり直します。つまり、腰に2本のタグをつけたままでのトライしかトライとは認めないということになります。

タグをとられた地点がゴールラインまで5m以内だった場合は、攻守交代のフリーパスや戻ってパスをやり直すのはゴールラインから5mの地点からとします。

(ルール5)オフサイド

タグラグビーの「オフサイド」は、タグをとった直後に守る側のプレーヤーに起こる反則です。攻める側のボールを持っていたプレーヤーがタグをとられると、そのプレーヤーから真横にオフサイドラインが生まれ、それより前の範囲はオフサイドの位置となり、守る側のプレーヤーはプレーできなくなるのです。

このオフサイドの範囲に立って、タグの後の最初のパスをカットしたり、そのパスを受け取る、攻める側のプレーヤーにあらかじめ近づいておいてパスが通ったとたんにタグをとる、といったプレーがオフサイドの反則の典型例です。

基本的なルールのときは、オフサイドという言葉を使わないで、タグをとられたプレーヤーがおこなう最初のパスは守る側のプレーヤーはとることができない、というルールで実質的にオフサイドのルールを適用します。体育の授業の場合は、このルールで最後までおこなっても問題ないことが多いのですが、もし、タグ後のパスはカットしないけれど、故意にそのパスをもらうプレーヤーに近づいておいてタグをとるというプレーが起こったときは、オフサイドを厳格に適用する段階になったと考えられます。

オフサイドを厳格に適用した場合は、守る側のプレーヤーはタグが起きたら、オフサイドラインまでいったん戻ってからプレーしなければなりません。

※小学館「公式BOOK だれでもできるタグラグビー」編著・鈴木秀人より引用

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