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教えよう - タグラグビーの基本的ルール

教えよう

タグラグビーの基本的ルール

それでは、はじめてタグラグビーをプレーする子どもたちが、授業の1時間めからすぐにゲームを楽しむことができる基本的なルールを、ゲームの流れにそって紹介しましょう。

準備

まずは、準備です。すべてのプレーヤーは、腰にタグベルトをまきます。ベルトは運動着やゼッケンの上からしっかりとまき、ベルトが余った場合は余った部分をベルトにまいてしまうか、ズボンの中に入れてしまいましょう。これは、ゲーム中にタグをとりにきた人が指をひっかけたりしないようにするためです。

次に、腰の左右の位置にある面ファスナー(ワンタッチテープ)にそれぞれ1本ずつタグをつけます。タグにはいろいろな色がありますが、衣服やゼッケンと同じ色は避けるようにしましょう。衣服等とタグが同じ色だと、タグをとろうとする人が見えにくいこともあるからです。

ボールは、ラグビーと同じ楕円球を使います。小学校の低・中学年は小さめの3号球、高学年はそれより一回り大きい4号球が使いやすいでしょう。ボールの空気圧は、少しだけゆるくするとはじめてでも扱いやすくなります。

コート

タグラグビーのコートは、下図のように簡単なものです。タグラグビーではゴールポストなどは必要ありません。小学校の体育でおこなうラインサッカーのコートとほぼ同じです。体育館でおこなうときは、バスケットボール等のコートを使っておこなうこともできます。
 ゴールラインを越えたインゴールのどこでもよいのでボールを置いたらトライで得点となるのですが、バスケットボールコートを使うときや、インゴールのスペースがとれないときは、ゴールラインを越えたらトライとすることでかまいません。


タグラグビーのコート

人数と時間

1チームの人数は、最初は4人から始めます。ゲームに慣れてきたらコートを少し広げて人数も5人にしてみましょう。ただし、6人にするとチームの中の運動が苦手な子にボールが渡らなくなってくるので、人数は5人までとします。試合時間は5~7分ハーフぐらいが一般的です。タグラグビーはとても運動量が多いので、子どもたちの体力や気候条件などに応じて適切な時間を決めてください。

ゲームの開始

「よろしくお願いします」と挨拶をして握手をかわしてから、ジャンケンで最初に攻める側を決めます。ジャンケンに勝った側が、中央の×印からパスでゲームを開始します。このようなゲーム開始やゲーム再開のパスのことを「フリーパス」といいます。
フリーパスのときには、守る側は5m下がらなければなりません。授業では、大きく3歩下がることでよいでしょう。フリーパスを最初にもらう、攻める側のプレーヤーは、フリーパスをするプレーヤーの後ろ2m以内に立ち、パスをもらってから走り出します。遠くから勢いよく走り込んできてパスをもらってはいけません。タグをとろうとする、守る側のプレーヤーと衝突する危険があるからです。

ゲームの進め方

攻める側のプレーヤーは、ボールを抱えて走ったり、パスをしたりしながら前へ進み、相手のインゴールまでボールを運んで得点することをめざします。ボールを持っているプレーヤーは、前後左右に自由に走ることができますし、パスはいつしてもかまいません。守る側のプレーヤーは、ボールを持って走ってくる、攻める側のプレーヤーのタグをとることで、その前進を止めることができます。

基本的なルール

(ルール1)得点の方法

攻める側のプレーヤーが、相手のゴールラインを越えたインゴールの中に走り込んでボールを置けば「トライ」で1点となります。

堅い校庭や体育館でプレーする場合は、ゴールラインを越えるだけでトライとすればよいでしょう。そのときは、ゴールラインを越えたらボールを上に掲げて「トライ!」とコールするとわかりやすいし、ゲームも盛り上がります。トライの後は、中央の×印からトライされた側のフリーパスでゲームを再開します。

(ルール2)パス

パスは前に投げなければ、いつ、誰にしてもかまいません。ボールを前に投げてしまった場合は、「スローフォワード」という反則になります。スローフォワードが起こったときは、前へのパスを投げてしまった地点から相手側のフリーパスとなります。

(ルール3)タグ

ボールを持って走ってくる、攻める側のプレーヤーの前進を、守る側のプレーヤーはタグをとることで止めることができます。このプレーのことを「タグ」と呼びます。タグをとったプレーヤーは、とったタグを頭上に指し示し、大きな声で「タグ!」とコールします。

ボールを持っているプレーヤーは、左右どちらかのタグをとられたらすぐに走るのをやめて、ただちにボールをパスしなければなりません。目安は3歩以内です。タグをされてから3歩以上走ってしまったときは、タグをとられた地点まで戻ってパスをやり直します。

タグをとられたプレーヤーがおこなう最初のパスは、守る側のプレーヤーはとることができません。ただし、そのパスが地面に落ちてしまったら拾ってもかまいません。それ以外のパスはカットするチャンスがあればとってもかまいません。

タグをとったプレーヤーはそのタグを手渡しで返すまで、タグをとられたプレーヤーはとられたタグを返してもらい再び腰につけるまで、次のプレーをすることはできません。その間は、残りのプレーヤーでゲームが続くことになります。

タグをとられた直後に、3歩以内でインゴールに入ってトライした場合は、故意に止まらなかったのでなければトライが認められます。

(ルール4)タッチ

ボールを持ったプレーヤーがタッチラインを踏んだり越えたり、パスしたボールがタッチラインの外に出てしまった場合は、その地点から相手側のフリーパスで再開します。

そのとき、タッチに出てしまった側はゲーム開始のフリーパスと同じように5m離れなければなりません。

(ルール5)身体接触など

タグラグビーでは、すべての身体接触が禁止されています。タグをとりにくる手を払う、相手にぶつかっていく、相手を手でつきとばす、相手をつかむ…といった身体接触はすべて反則となります。また、攻める側がタグをとられないようにクルクル回転したり、守る側が手を大きく広げて守るプレーは、身体接触を引き起こす原因になるので禁止です。地面に落ちたボールへのダイビングも禁止です。転がっているボールは立ったまま拾わなければなりません。また、キックも禁止です。ボールはいつでも手で扱います。

反則があった場合、その反則があった地点から反則をしなかった側のフリーパスでゲームを再開します。そのとき、反則をした側は5m離れなければなりません。反則が、インゴールの中やゴールラインまで5m以内で起きた場合は、ゲーム再開のフリーパスはゴールラインから5mの地点でおこないます。

ゲームの終了

ゲームが終わったら、握手をして「ありがとうございました」と挨拶をします。
ゲームの終了のことを、ラグビーの世界では「ノーサイド」と言います。対戦した相手チームも一緒にタグラグビーを楽しんだ仲間であり、ゲームの終了とともにチームとチームの間の境がなくなるという考えです。

審判がいた場合は、審判への感謝の気持ちも表すようにしましょう。審判も、一緒にタグラグビーを楽しんだ大切な仲間だからです。

※小学館「公式BOOK だれでもできるタグラグビー」編著・鈴木秀人より引用

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