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2010/3/31

東京都八王子市「七国スピリッツ」の事例







平成21年5月。私は、八王子市立七国小学校でタグラグビークラブを設立した。同年3月まで府中でタグラグビーに携わっていた私は、タグの素晴らしさや楽しさを八王子の子供達にも味わってもらいたいと考えたからである。

まずは学校のクラブ活動でタグラグビークラブを新設。幸いなことに40名を超える部員が集まった。クラブでタグを楽しみつつ、対外的な活動(大会やタグフェスティバル)は希望者を募って学校の教育活動外で参加した。

ある程度、対外的な活動を行っていくうちに学校のクラブとは別に、新たに地域スポーツ団体として活動した方が色々と動きやすいのではないか、と学校長と私で判断。7月、七国小学校の児童を対象とした、地域スポーツ団体「七国スピリッツ」を設立した。

幸いなことに本地域はラグビーに対する関心が比較的高く、初年度から30名近くの部員が集まった。また、保護者でコーチを引き受けてくださる方がいたり、練習にほぼ毎回のようにお手伝いに来てくださる方がいたり、パソコンに堪能な保護者がチーム専用のネット掲示板を作ってくれたりと信じられない程の厚いサポートを得ることができた。更に前任校で教えていた中学生も遠距離にもかかわらず、「タグの普及のために」と、度々コーチに来てくれた。「子供と保護者の熱い思い」これが、スピリッツの大きな力となった。

とは言っても学校の教育活動外で行うと今までとは違った手続きも必要となった。まずはグランドの確保。自校の教員であっても他の地域スポーツと同じように手続きをし、グランドの使用許可を得る。当然、朝練習はできないので夕方や土日が練習となる。日没が早くなる秋・冬季は学校外のグランドの抽選に参加し、練習場所を確保する。これが一番大変であった。

毎週火・土曜日の練習。回数・時間的には少ない中で、子供達は楽しく、しかし必死で練習した。結成初年度であったが、その取り組み方はなんら経験校に劣るものではなかった。強豪校に跳ね返されてもくじけず何度も立ち上がる姿に感動を覚えた。

第6回サントリーカップ多摩地区大会。2名以外は皆、女子というチームや6年と4年の混合チーム、または4年ばかりというチームでスピリッツはこの大会に臨んだ。初年度・身体的能力の差という圧倒的不利を跳ね返し、スピリッツは見事、多摩地区大会で準優勝となった。その後行われた東京ブロック代表決定大会では残念ながら敗れたが、まさにミラクル・スピリッツ。多くの人に感動を与えた。

「男女関係なく安全に楽しむことができるスポーツ」それがタグラグビーである。この理念を大切にし、これからもスピリッツは歩み続けたい。

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