ホーム
ニュース
記事詳細

ニュース

2014/9/17

第6回「関西タグラグビーフェスティバル2014」琵琶湖CUP in 長浜ドーム

主 催 日本ラグビーフットボール協会・関西ラグビーフットボール協会
主 管 滋賀県協会・関西協会普及育成委員会・琵琶湖CUP運営委員会
支援・協力 立命館大学体育会ラグビーフットボール部
協 賛 コカ・コーラウエスト株式会社
後 援 滋賀県教育委員会,滋賀県体育協会,長浜市教育委員会,米原市教育委員会
開催日時 2014年5月24日(土)9時00分~16時00分
開催場所 滋賀県立長浜ドーム(滋賀県長浜市田村町1320)
参加者 51チーム・約500人(エントリー選手416人,スタッフ・観衆約100人)
• 琵琶湖CUP(小学生経験者)…24チーム・193人
• 長浜CUP(小学生初心者)…15チーム・105人
• 近江CUP(一般)…12チーム・118人
写真 写真 写真

 本フェスティバルは,「誰もが気軽に楽しめるスポーツ」であるタグラグビーをより身近なものとし,「関西協会エリア(北陸・東海・近畿・中国・四国)一円のタグラグビープレーヤーとスポーツ愛好者が集い,タグラグビーの試合や体験教室を通じて交流・親睦を深め,もってタグラグビーの普及・振興を図る」ことを目的として,2009年度から実施しています。

 今回で6回目の開催を数えますが,近畿・東海・北陸の中間地点,滋賀県長浜市の長浜ドームでの開催は5回目。湖北でのタグフェスタは春の風物詩として,関西タグシーンに定着し,今回も51チーム,約500人のタグラグビー愛好者の参加のもと盛大に開催されました。

 「関西」の名のとおり,関西協会管内から11府県(石川県・富山県・愛知県・三重県・滋賀県・京都府・大阪府・奈良県・和歌山県・兵庫県・岡山県)からの参加があり,今回初めてタグラグビーが盛んな神奈川県からもご参加いただきました。常連チームだけでなく,新たに参加いただいたチームや関西協会管外からの参加により,このフェスタに新しい歴史が加えられたことは嬉しい限りです。

 あらためて,遠路,長浜ドームに足をお運びいただいた参加者の皆さまに御礼申し上げます。

写真 写真 写真

 当日は快晴。爽やかな風が湖畔を吹き抜ける中,巨大なドームの威容と綺麗な人工芝,タグラグビーのテーマソングに迎えられた参加者は,荷物を置くやいなや長旅の疲れもみせず,思い思いにラグビーボール片手に広い会場を駆けまわっていました。

 今年度も,3つのカテゴリー(「琵琶湖CUP」…小学生経験者の部(小学4年生~6年生),「長浜ドームCUP」…小学生初心者の部(小学1年生~6年生),「近江CUP」…オープンの部(年齢制限なし,成人・子ども混成可))を設け,あらゆる世代が楽しむことができるスポーツとしての打ち出しを鮮明にしました。小学生以外も参加できる「近江CUP」に参加者の4分の1強の118人ものエントリーがあったことは,これまで小学生を中心に普及してきたタグラグビーの新たな拡がりの可能性を感じさせるものです。かつて,小学生期に一緒にタグラグビーをプレーした中学生たちによるタグ同窓会のようなチームや小・中学生・成人が混在したチーム,大人だけでタグラグビーをスポーツとして楽しむチームが参画するなど,多様なチーム構成が見られました。多世代が楽しむことが出来るタグラグビーフェスタが定着し,これからのスタンダードとして展開していく基礎が固まってきたことが伺えます。

 今回も前回・前々回に引き続き,ゲストとして,立命館大学ラグビー部の現役大学生プレーヤー11人をお迎えしました。会場中央のラグビー体験コーナーでは,子どもたちの良き兄貴として率先してコーチ役をかってでていただきました。「近江CUP」にもチームとして参加いただき,パスの速さや長さ,スピードのあるプレーでフェスタにアクセントを与えてくれました。目の前で感じる大学生プレーヤーのスキルは,きっと子どもたちの記憶に残ってくれることでしょう。春シーズンの最中であるにも関わらず,ラグビーの普及シーンに深くご理解をいただき,また,常日頃から,地域貢献活動として,ラグビー部員による小学校訪問やグラウンド開放等,子どもたちにタグラグビーやラグビーをプレーする機会をご提供いただいているからでしょうか,今回,お越しいただいた選手の皆さんも子どもたちに優しいまなざしで存分に遊び,楽しさを提供いただきました。心から感謝申し上げます。

 さらに,今年度初めてご協賛いただいたコカ・コーラウエスト株式会社様からは,同社のトップチーム「コカ・コーラレッドスパークス」スタッフでもある高井明彦さんと本田康信さんにお越しいただき,ラグビーの楽しさを余すことなくご教示いただきながら子どもたちとのふれあいを通じてタグフェスタを盛り上げていただきました。今回,初めての取り組みとなったアフターマッチファンクションの飲料として同社のスポーツ飲料アクエリアス,賞品として会社ロゴ入りのボールやクリアファイルをご提供いただくなど,物心両面にわたるご支援をいただきました。これまで同社は,九州エリアを中心に幅広くタグラグビー指導者講習会の開催等を通じてタグラグビーの普及に貢献されてきましたが,一昨年から関西エリアでも同社の地域貢献活動の一環として同様の取り組みを始められています。今後,このような多世代が集うタグラグビーフェスタや指導者養成の現場でお力添えいただけたならば,タグラグビーのさらなる普及が加速することに違いなく,今後も協働の可能性を探っていくことが出来ればと思います。今回並びにこれまでのタグラグビーシーンへのご支援について,心から感謝申し上げます。

写真 写真 写真

 幼児,小・中学生,高校生,大学生や成人といったすべての世代が広い地域から集う場でタグラグビーを存分に楽しむことが出来たことは,多くの方々の御理解と御支援なくして成立するものではありません。子どもたちが初めて出会い,仲良くなった大学生ラグビー部員にサインや記念撮影を求める姿は,とてもかわいらしく,今日の思い出を持ち続けて,スポーツが大好きな少年・少女に育っていってくれたらと切に願っています。今回も,真剣であればあるほど笑顔があふれ,照れくさそうにしていたプレーヤーが意を決して,一歩を踏み出す瞬間を見ることができました。そのアイテムとしてタグラグビーがあった訳ですが,タグラグビーを通じた経験が,毎日の生活の中で,何かのきっかけになってくれたならと切に願っています。 『スポーツを通して子供たちが笑顔になり、それを見た大人がまた笑顔になり、関わる全ての人が笑顔になれるような世界を「ソウゾウ」する…』,子どもたちがスポーツに関わる現場に立たせていただいている我々大人が追究していかねばならないものではないでしょうか?

 ゲームは,フィールドいっぱいに6面のコートを配置し,1チームにつき4~6試合を設定しました。6面同時進行でのゲームは圧巻です。ゲーム時間は,待ち時間などを考慮し,10分ワンハーフ。前のゲームが終わればすぐに次戦を行い,レフリーや記録は,前試合のチームが中心となって行うフレンドリーな試合形式。子ども達もタッチジャッジや点数表示などの運営に関わり,ゲーム以外の楽しさも味わってくれたのではないかと思います。この手法が定着してきて,当初は「レフリーがいない」とか「記録がとれていなかった」などといった進行上の不具合がない訳ではありませんでしたが,今回は,皆さまの御協力により,概ねスムーズに進行することが出来ました。

 ノーサイドの笛を聞いた後は,そのままコート上でレフリー進行のもとに双方のチームが相手チームの良かった点を伝えあったり,チーム紹介をしたりして,タグラグビー仲間同士の交流を深めました。恒例となった「MIP(most impressive player)賞状」の贈呈は,レフリーからその試合の「最も印象に残ったプレーヤー」を表彰するもので今回も継続実施しました。「最優秀選手(MVP)」でないところに狙いがあり,懸命に頑張ったり,ふるまいが素敵だったりしたプレーヤーをみんなで讃えようとするもの。レフリーの側からもプレーヤーのスキルを引きだしながらゲームを盛り上げるという観点でレフリーを楽しんでいただくための趣向です。

 また,今回初めての試みとして会場内で試合中だけに限らず「素敵な行い」をした選手に「グリーンカード」(イエローカードの対極)を渡し,良い行いを認める試みを実施しました。「素敵な行い」の定義は無限大。「落ちているゴミをそっと拾った」,「転倒した相手に手を差し伸べた」,「トイレの場所が分からない子を導いてあげた」など,ある種の「当たり前のこと」誰かが「認める」ということを形で示そうとしたもので,「タグラグビーを通じて伝えたい大切なこと」をみんなで考えてもらうための仕掛けです。

 これらは,(公財)日本体育協会が推奨する「フェアプレイ宣言」についての考え方をタグラグビーでも広め,安全で楽しいタグラグビーのゲームをプレーヤー自らが創造していくことを目指すものであり,チーム指導者の御協力を仰ぎながら今後も継続して取り組んでいきたいと思います。

写真 写真 写真

 さらに今回から,ドーム通路にアクエリアスを飲みながら相手チームと歓談する場所を設け,簡単なアフターマッチファンクションを試行しました。試合の合間の慌ただしい時間ではありましたが,タグラグビー仲間同士の交流の一助になったのではと思います。ラグビーの素敵な文化を子どもたちに伝えることは,我々指導者の使命でもあり,より良い形を創っていくことが出来ればと思います。

 ルールは,攻撃有利の点の取り合いというスタイル。122試合を通じて1,065本というトライ量産に会場は大いに沸きました。また,10分という短時間のため,トライ後だけでなく,フリーパスなどプレーの切れ目にも選手の入替えを認めるなど,このフェスティバルを楽しむための措置を講じました。ただし,安全については注意を払い,タッチダウンせずとも身体がゴールラインを越えれば「トライ」とする方式を採用し,事前に指導者から周知いただいていたことから小学生たちもとまどうことなく対応していました。

 日頃は裏方に徹するスタッフ団もチームを編成し出場しましたが,小学生タグOBらの中学生等に翻弄されながらも健闘。いつもと違う角度からタグラグビーの楽しさを満喫し,笑顔でプレーすることを参加者の皆さんに学び,楽しみながらのフェスタ参加となりました。

 フェスタ立ち上げ当初からの目的でもある「各地で大小の交流会が頻繁に開催」される状況を創っていく上で,広い地域から様々なお立場でご参加いただいたことは大きな財産となりました。今回のようなフレンドリーな大会や力試しをする大会,様々な形態を参加者が選択できるような機会を設けること,そのためには,今回参加いただいたスタッフやチームが中心となって,眼にされ,経験されたことをお住まいの地域で実践していただくことがタグラグビー発展に不可欠ではないかと思います。性別や年齢を問うことなく同じグラウンドで競い合えるというタグラグビーの特性を活かし,より身近な地域レベルでの取組として広まっていくことを願っています。

 結びに,フェスティバルを通じて,このスポーツに寄せる多くの方々の強い思いを感じました。現在,会場で御記入いただいたアンケート等,お寄せいただいた貴重なご意見を検証・分析しているところです。今後,皆さまとそれらの情報を共有しながら改善することで,タグラグビーがより良い環境のもと発展していくことを願ってやみません。数年後に振り返った時に,「今回のフェスティバルが出発点となった」と回顧出来るかどうかは,速やかに,しっかりと検証・評価を行い,改善のうえ,計画,実行していくサイクルを確立できるかにかかっています。

 今,そのスタート地点に立てたことをたいへん嬉しく思います。

■「観る」・「支える」スポーツから「自らプレーする」スポーツへ
■ひとりでも多くの方が,ラグビーボールに触れ,グラウンドを駆ける爽快感を味わい,ノーサイドを体感していただくこと。
■プレーヤーでなくとも,様々なお立場でタグラグビーやラグビーを支援・応援いただくこと
■ラグビーのファンになっていただくこと

 今後も,日本ラグビーフットボール協会の理念「WE ARE RUGBY FAMILY」の下に,タグラグビー・ラグビーがもつ魅力を共有し,ラグビーを愛する方々の支持を得ながらの普及活動を目指していきたいと思います。今後ともよろしくお願いいたします。

 結びに,今大会開催にあたり,ご協力,ご支援いただきましたすべての皆さまに心から感謝を申し上げ,実施報告とさせていただきます。

 ありがとうございました。

写真 写真 写真

(文責)
関西ラグビーフットボール協会
普及育成委員会タグラグビー部門
部門長 長手信行

ニュース一覧へ