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2014/2/27

トライセットレポート「宮崎県 高千穂町立岩戸小学校」

学校名高千穂町立岩戸小学校 実施日平成25年5月
担当教員名多田 宏 実施学年・人数6年生(20人)、クラブ活動(4・5・6年生15名)
学校・学級紹介  本校は宮崎県北西部、高千穂町岩戸地区にある学校で、近辺にはパワースポットとして名高い天岩戸神社や天安河原があり、県内外から毎年多くの観光客が訪れている。全校児童数136名で、1学年1学級編成の小規模校である。昨年度、タグセットを学校備品として購入し、4年生の体育学習で実践した。今年度担当している6学年20名(男子9名、女子11名)の児童は、男女の仲が大変よく、どの児童も意欲的に運動に取り組んでいる。
実施内容 1. 第6学年の体育の授業として取り入れた実践
 〇水泳が始まる前の5~6月初旬に行った。全8時間で計画し、初めの2時間だけはタグ取り鬼ごっこなどのタグやラグビーボールを使った運動を行った。残りの6時間はすべてゲームを行った。授業の基本的な流れは次のとおりである。
  (1) 準備運動・チームごとに基本練習(10分)
   ・ 1チーム5人の4チームで編成
  (2) ゲーム(30分)
   ・ Aチーム対Bチーム(前半)7分 ※C・Dチームは練習または作戦タイム
   ・ Cチーム対Dチーム(前半)7分 ※A・Bチームは練習または作戦タイム
   ・ Aチーム対Bチーム(後半)7分 ※C・Dチームは練習または作戦タイム
・ Cチーム対Dチーム(後半)7分 ※A・Bチームは練習または作戦タイム
  (3) ふり返り(5分)
   ・ チームごとにゲームの反省点とその反省を生かすための練習方法を考える。
   ・ 教師がよかったところを全体で称賛する。

2. クラブ活動としての実践
 〇スポーツクラブの活動の1つとしてタグラグビーを取り入れた。10月ごろから気温も低くなり始めるため、運動量の多いタグラグビーは最適であった。5年生は昨年度4年生の時に経験し、6年生は今年度経験していたので、5・6年生が4年生にルールを教えながら進めることができた。
指導のポイント 〇運動場に30m×40mのコートになるようポイントを打ち、石灰でラインは引かず、毎回カラーコーンを置いて試合を行った。
〇1チーム5名の4チームを編成した。全8時間、欠席や見学者はいなかったので、補充することはなかった。
〇総当たり戦で行い、全試合終了後、1回だけチームの再編成を行った。
〇ルールについては、オフサイド以外はすべて初めのうちに指導した。ラグビー協会が発行しているルールの紹介等のDVDを朝の時間を活用して見せたのは効果的であった。オフサイドについては、ゲームをしながらすぐに児童側からも必要性を感じる反応があり、指導者としてもオフサイドの必要性を感じたので早い段階で指導した。
〇サッカーの動きが体にしみこんでおり、初めのうちはボールを持っている児童の前にいく児童が多く、スローフォワードばかりであったがすぐに慣れていった。
〇初めのうちは試合をしながら、「なぜ、今のプレイが反則だったのか」を説明していった。
〇指導者は審判を行い、空いているスペースを使って練習をさせたり作戦を立てさせたりした。前半終了後、すぐに後半を始めるのではなく、1度、他チームが試合をしている間に話し合う時間がとれたのが大変効果的であったように思う。前半の反省点を後半に生かそうとする場面が随所で見られた。
〇試合の勝敗だけにこだわってしまう傾向があったので、授業の最後には、指導者から前時と変わってきたところをチームごとに伝えることを心がけた。
感想・印象
今後の課題
〇タグセットは昨年度購入していたが、楕円形のボールが少なく、トライセットが届いたおかげで、チームごとに練習することができるようになり、練習方法も増えた点は大変ありがたかった。
〇タグラグビーは運動の得意な児童が1人いるだけでは勝利に結びつかず、パスがつながるチームが強いことを児童も実感していた。また、ボール操作が苦手な児童でもディフェンス(タグを取る)は得意という児童もおり、それぞれが自分のよさを生かすことができた。
〇ボール運動では、6年生くらいになると男女の技能差が出始め、ゲームに意欲的に参加しようとしない女子が増える傾向にあるが、タグラグビーは女子でも意欲的にゲームに参加し、運動の楽しさを味わうことができると感じた。
〇体育の授業以外にも、「昼休みにタグラグビーをやりたい」という声があがったことが本実践の1番の成果である。
〇タグラグビーという運動は知っていても、ルールや指導方法を知らない教師はまだまだたくさんいる。今回もスポーツクラブで共に指導した男性教諭が「タグラグビーを初めて知った。とても面白い。」と話していた。今回のトライセットを生かし、校内の体育実技研修に取り入れることで、タグラグビーを伝達していく必要性を感じた。

提出いただいたレポート

 1)実施レポート
 2)児童感想文
 3)写真

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