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教えよう[中学校編] - 指導案(1) - 第1学年保健体育科学習指導案

教えよう[中学校編]

指導案(1) - 第1学年保健体育科学習指導案

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【日 時】平成 29 年 4 月 24 日~5 月 22 日
【対 象】G 大学附属 K 中学校 1 年 B 組(40 名) 1 年 D 組(39 名)
【授業者】●● ■■

1.単元名

「球技」 (タグラグビー)

2.単元の目標

ランニングを中心として攻撃を組み立てながら、陣取り型ゲーム特有の攻防を楽しむとともに、中学校に おける集団スポーツの学び方を理解する。

3.運動の特性

タグラグビーは、ゴール型の球技の中でも、前方にはできないパスを用いてお互いのゴールラインの先
までボールを運ぶことができるかどうかを競い合う陣取り型のゲームである。したがって、攻撃側はボールを持って走ることと前方にはできないパスを使って前進し、防御側はタグを取ってその前進を止めることで双方の陣地を取り合い、相手ゴールラインを超える地点まで陣地をとる と得点になるという形で勝敗を競い合うところに、タグラグビーに特有の運動の面白さがある。

4.単元設定の理由

  1. 「球技」の領域を設定した理由→中学校における集団スポーツの学習の仕方を身につけるため順序はクラスによって異なるが、本校では1年生の最初に「器械運動」と「球技」を行う。これは、中学校における「個人スポーツ」と「集団スポーツ」の両方の学び方を身につけてもらうためである。
    特に、9月下旬からは異学年集団でグループを編成し、スポーツフェスティバル(球技大会)に向けての球技の学習を行うため、1学期のうちに集団スポーツの行い方を学んでおくことはより重要である。
  2. 「タグラグビー」という種目を選択した理由→クラスの全員に活躍するチャンスがあるため世界中に数多く存在するボールゲームの中でも、「タグラグビー」はドリブルやシュートなどの難しい技術を必要とせず、ボールを抱えて走ることで得点することができる。
    したがって、比較的運動が苦手な生徒でも、球技における攻防の面白さを味わいやすいと考えられるため、中学校で最初に学習する球技の種目として適切であると考えられた。

5.生徒の実態

生徒の半数が附属小学校からの内部進学者であり、小学校3~4年次にタグラグビーを学習している。残りの半数が公立小学校の出身だが、4月当初に行った実態調査によると、タグラグビーを学習した経験のある生徒も数多く、合わせるとクラス全体で約8割の生徒にタグラグビーの学習経験があった。
ただし、授業内で個別に聞いたところによると、タグの制限回数を設定したか否かなど、小学校の授業で行ってきたタグラグビーのルールは、出身小学校によって大きく異なっているようである。

6.単元指導計画(全 9 時間予定)

学習内容 指導上の留意点
12 ねらい1〉簡単なルールでランニング中心のゲームを楽しもう!
・ノックオンやタグの制限回数なしのゲームを行う。
・ボールを持って走ることに慣れる。
・金魚のふん、1 対 1 タグとり、円陣パス、ボール運び競争などを通して、ゲームで必要な動きを経験する。
・ボールを持ったら、タグをとられる まで前に走ることを促す。
・ボールを持っていない人は、ボールを持っている人のすぐ近くについていくように促す。
345 〈ねらい2〉少し発展したルールでランニング中心のゲームを楽しもう!
・ノックオンの反則とタグの制限回数 4 回ルールを新た に導入する。
・ボールを落とさないように、近くの人に正確にパスをして攻撃を継続できるようにする。
・ボールをなるべく落とさないように、近くの人に正確にパスをするように促す。
6789 〈ねらい3〉発展したルールで簡単な作戦を立ててランニング中心のゲームを楽しもう!
・オフサイドの反則を新たに導入する。
・守備側は、オフサイドラインまで下がるという制約の中で、どのように守るのが効果的か考える。
・攻撃側は 4 回の攻撃でトライをとれるように、走る方向やもらう人の順番などを工夫する。
・リーグ戦を生徒主体で運営する。
・オフサイドについて説明し、タグをとったらオフサイドラインまで下がることを徹底させる。 ・タグ前のパスよりも、誰がどのような方向に走ればよいかといった観点から作戦を考えさせる。

7.本時の展開(6 時間目/全 9 時間)

【日時】平成 29 年 5 月 15 日(月)第 3 校時 (10:40~11:30) 対象 1年B組40名
【場所】G 大学附属 K 中学校グラウンド

本時の目標

オフサイドルールについて理解し、オフサイドラインまで下がって守備することを意識しながら、ランニング中心のゲームの攻防を楽しむ。

  学習活動 指導上の留意点
導入 0 ○用具等を準備し、ビブスとタグを装着後にチームごとに整列する。
・ビブスとタグを各自で準備し、6 グループごとに整列する。
・用具係に用具の準備をさせ、班長に班員全員がそろったかどうかの点呼をさせる。
・ビブスの上からタグをつけられているか,タグをつける場所は適切かどうかを授業開始前に確認する。
・暑さが予想されるため、水分補給を適宜行うように促す。
1 ○「1 対 1 タグとり」を行う。
・近くの人と 2 人組を作り、1 対 1 のタグとりを行う。(左右の手で) ・タグをとったら「タグ 1」とコールする。
・片方の手を繋がせて、タグを取りに来る相手の手を妨害しないようにさせる。
・大きな声で「タグ 1」と叫ぶことを徹底させ、ゲーム中に必要な行動につなげる。
4 ○「金魚のふん」を行う。
・3 人組で行う。 ・笛が鳴ったらパスをして、金魚を交代する。
・3 人組を作ったら一度座らせ、ポイントを確認させる。
・ボールを持っていない人は、ボールを持っている人のすぐ後ろを走るよう指示する。
・ボールを持っている人は、両手でボールを持つことと、笛が鳴ったら走るのをやめて両手で下からパスすることを意識させる。
7 ○チームごとにストレッチ・柔軟体操を行う。
・体操係が中心となって、ゲームに必要な体の部位のストレッチを行う。
・教師は各チームを回り、ゲームで必要な体の部位を伸ばすように声掛けをする。
展開 10 ○集合し、前回付け加えたルールや注意点を確認する。 ・タグ 4 ルール、タッチダウンルールを再確認させる。
・フリーパスで 5m 下がること、ボールを両手で持つこと、ボールを持っていない人はすぐ後ろをついていくことを徹底させる。
13 ○チームで簡単なミーティングを行う。
・ホワイトボードを用いて、前のゲームでの反省点を挙げたり、今日の試合での目標を話し合ったりする。
・ホワイトボードを有効に活用し、図などを書いてより具体的に話し合わせる。
・2 週間ぶりの授業であることから、話し合いの場を一度持つことによりチームで意識することを焦点化させ、ゲームのパフォーマンス向上につなげる。
18 ○〈ゲーム1〉を行う。
・A vs E / B vs D / C vs F
・試合時間は 8 分間、出場人数は各チーム 5 人で交代はプレーが途切れた時に適宜行う。
・ノックオンあり、タグの制限回数 4 回、タッチダウンするとトライ。
・見ている人は得点の管理と、チームに対して必要な声掛けを行う。
・得点板を移動させて、フリーパスで試合が始められる状態を速やかに作らせる。
・教師は各コートを回り、プレーをしている生徒に対して助言・指導を行う。
〈予想されるつまずきと必要な声掛け〉
・ボールを両手で持っていない生徒→ボールを両手で持つように指示する。
・コートの後ろのほうで立っているだけの生徒(特に運動が苦手な女子)→ボールをもっている人のすぐ後ろを、金魚のふんの距離でついていくように指示する。
・ゲームが止まっている場合→教師が状況を整理して説明するとともに、フリーパスで再開させる。
26 ○集合し、オフサイドのルールを理解する。
・タグをとった地点(オフサイドライン)より後ろに一度下がってから守備をしなければならないというルールを理解する。
・ゲームを見て全体に伝えておくべき注意事 項が生じた場合は、最初に全体に対して指 導する。
・教師と生徒 3 人が前で実演した後に、ホワ イトボードを用いて「オフサイド」という 反則の意味を理解させる。
・待ち伏せするディフェンダーを減らして、 円滑に攻撃を進めるために導入するルール であることを説明する。
34 ○〈ゲーム2〉を行う。
・A vs D / C vs E / B vs F
・〈ゲーム1〉と同様。 ・オフサイドを理解していない生徒に対しては、積極的に声をかけてオフサイドライン まで下がるように指示する。
まとめ 42 ○学習カードを記入し、本時の振り返りを行う。
・今日のゲームの振り返りを個人とチームの両方の側面から行い、学習カードに記入する。
・オフサイドルールを適用して、楽しくゲームができたかどうか振り返る。
・ゲーム中に感じたことなどを、図なども用いて具体的に率直に書くように指示する。
・オフサイドルールを適用して楽しくゲームができたかどうかを最後に発問する。
47 ○用具を片付けて、更衣を行う。 ・班長はファイルを回収し、用具係は用具を片付ける。
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